マスターストレッチを見て、「足首やふくらはぎを伸ばすための器具」と思われる方も多いのではないでしょうか。
船底のようにカーブした専用シューズを履いて動くことで、足まわりの柔軟性にアプローチできることは、マスターストレッチの特徴の一つです。しかし、本来の目的は足を柔らかくすることだけではありません。
私たちの身体は、足裏を通して地面と接しています。足元を正しく使い、地面を押す力を身体全体へつなげることは、立つ、歩く、スポーツをするといったさまざまな動きの土台になります。
今回は、マスターストレッチの特徴と、足元から全身をつなげる「From the Ground Up」という考え方についてご紹介します。
マスターストレッチとは?
マスターストレッチは、船底のようにカーブした専用のシューズを履いて行うトレーニングです。
基本となる足元の動きは、背伸びをする動きと、踵を踏む動きです。このシンプルな動きを正しい位置で行い、足元で地面を捉え、そこから生まれる力を全身へつなげていくことが、マスターストレッチの大きな特徴です。
足元で地面を捉え、そこから生まれる力を全身へつなげながら動くことが、マスターストレッチの大きな特徴です。

マスターストレッチは足を柔らかくするだけではない
もちろん、踵を踏むことで、ふくらはぎや太ももの裏側などに伸びを感じられることも、マスターストレッチの特徴の一つです。
しかし、身体は柔らかくなれば、それだけで正しく動けるわけではありません。関節を正しい位置で動かすためには、必要な柔軟性に加えて、その位置を保つ筋力や、動きを調整するコントロールも必要です。
船底のようにカーブしたマスターストレッチの上で動くと、柔軟性だけでなく、身体を支える力や筋力のバランスも求められます。足を伸ばすことだけを目的とせず、正しい位置で身体を動かすために必要な要素へ、まとめてアプローチできることがマスターストレッチの特徴です。
正しい位置で動くための柔軟性・筋力・コントロール

身体を正しく動かすためには、関節が動く範囲だけでなく、足部・足首・膝・股関節などが適切な位置関係を保つことが大切です。
そこに影響するのは、筋力や柔軟性だけではありません。普段の立ち方や姿勢、無意識に行っている重心のかけ方など、日常で繰り返している身体の使い方も関係しています。
本人にとっては何気ない動きでも、長く繰り返すことで身体のクセとなり、マスターストレッチで正しい位置を保ちながら動こうとしたときに、その動きを難しくすることがあります。
船底のようにカーブしたマスターストレッチの上では、少しの重心移動によって足元の状態が変化します。そのなかで正しい位置を保ちながら、背伸びと踵を踏む動きをコントロールしていきます。
必要な部分を動かし、支える部分は安定させる。柔軟性・筋力・コントロールをバランスよく使うことで、普段は気づきにくい身体のクセを見直し、正しい動きへつなげていきます。
地面を押す力を全身へつなげる
マスターストレッチを考えるうえで大切なのが、「From the Ground Up」という考え方です。足元を起点として、地面から受け取った力を身体を通して全身へつなげていくことを表しています。
立つ、歩くといった動作では、足裏が地面と接しています。足裏で地面を押すと、同時に地面から力が返ってきます。その力を足元だけで止めず、足首、膝、股関節、骨盤、背骨へとつなげていくことで、全身を使った動きになります。

マスターストレッチでは、背伸びと踵を踏むシンプルな動きを通して、足元で地面を捉え、その力を全身へ伝えていきます。強く踏みつけるのではなく、正しい位置で地面を押し、身体全体を連動させることが大切です。
足だけを動かすのではなく、地面との接点から身体全体を考える。それが、マスターストレッチにおける「From the Ground Up」です。
エロンゲーションで身体を長く使う

足元から伝わる力を全身へつなげるために、もう一つ大切になるのが「エロンゲーション」です。
エロンゲーションとは、身体を軸方向へ長く伸ばしながら動くことを指します。ただ背筋を伸ばしたり、胸を張ったりすることではありません。足元で地面を押し、その力が身体を通って上へ伝わることで、頭の先や指先が遠くへ伸びていくような感覚です。
マスターストレッチの上では、足元を安定させようとして身体を固めたり、上半身に力が入りすぎたりすることがあります。しかし、足元で地面を押す力と、身体が上へ伸びる力がつながることで、軸を保ちながら全身を動かしやすくなります。
下方向へ地面を押しながら、身体は上方向へ長く伸びていく。この二つの方向を同時に意識することが、マスターストレッチを足だけの運動で終わらせず、全身の動きへつなげるポイントです。
マスターストレッチはどんな方におすすめ?
マスターストレッチは、ダンサーやアスリートだけのためのトレーニングではありません。日常の立ち方や歩き方を見直したい方にも取り入れられます。
特に、次のような方におすすめです。
- 足首やふくらはぎの硬さが気になる方
- 足裏で地面を捉える感覚が分かりにくい方
- 立っているときのバランスや安定感が気になる方
- 普段の姿勢や身体の使い方のクセを見直したい方
- 足元から体幹、上半身まで連動させて動きたい方
- 歩行やスポーツ、ダンスで地面を押す感覚を身につけたい方
また、身体が硬い方だけでなく、柔軟性はあっても正しい位置を保つことが難しい方にも適しています。マスターストレッチでは、身体を伸ばすだけでなく、その位置を支える筋力や動きを調整するコントロールも必要になるためです。
運動経験のない方でも、その方の身体の状態に合わせて、動き方や難易度を調整しながら取り入れていきます。
AXISでのマスターストレッチの取り入れ方
AXISでは、マスターストレッチだけを単独で行うのではなく、一人ひとりの身体の状態や目的に合わせて、パーソナルレッスンの中に取り入れています。
足部や足首の動きだけでなく、膝や股関節の位置、立ったときのバランス、普段の身体の使い方などを確認し、その方に必要な動きや難易度を選びます。必要に応じて、先にピラティスなどで身体を動かしやすい状態に整えてから、マスターストレッチを行うこともあります。
船底のような不安定な形をしていますが、バーにつかまり、トレーナーが身体の位置や動きを確認しながら進めるため、初めての方でも段階的に取り組めます。
マスターストレッチを上手に行うこと自体が目的ではありません。足元で地面を押す感覚を全身へつなげ、立つ、歩くといった日常の動きに活かしていくことを大切にしています。ピラティスやほかの運動と組み合わせながら、その方に必要な身体の使い方を引き出していきます。
まとめ|足元から全身の動きにつなげる
マスターストレッチは、足首やふくらはぎを柔らかくするだけの器具ではありません。正しい位置で動くために必要な柔軟性・筋力・コントロールを使いながら、足元から全身のつながりをつくるトレーニングです。
「From the Ground Up」という考え方のもと、足裏で地面を捉え、地面を押す力を身体を通して全身へ伝えていきます。さらに、エロンゲーションによって身体を長く使うことで、足だけに力を集中させず、全身を連動させて動いていきます。
AXISでは、マスターストレッチをピラティスやほかの運動と組み合わせ、一人ひとりの身体の状態や目的に合わせて取り入れています。
足首やふくらはぎの硬さが気になる方、立ったときのバランスや、地面を押す感覚を見直したい方は、ぜひ一度体験してみてください。
初めての方は、レッスンの流れや料金、スタジオの雰囲気もあわせてご確認ください。
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