腕が上がりにくいとき、肩だけの問題?肩甲骨・背骨・肋骨の動きを確認

腕が上がりにくい方に向けて、腕を上げる女性のレッスン風景と、肩関節・肩甲骨・胸郭・胸椎の位置関係を示した解剖図を組み合わせたアイキャッチ画像。 ブログ

「腕を上げると途中で止まる」「左右で上がり方が違う」「腕を上げると肩まわりに力が入る」と感じる方は少なくありません。

こうしたとき、肩関節をストレッチしたり、肩まわりをほぐしたりする方も多いのではないでしょうか。

もちろん、それで動かしやすくなることもあります。

ただし、腕が上がりにくいからといって、肩関節だけを見ればよいとは限りません。

腕を上げるときには、肩関節だけでなく、肩甲骨が胸郭の上を動き、背骨や胸郭の位置も変化します。

そのため、腕がどこまで上がるかだけでなく、肩甲骨・背骨・胸郭がどのように動きながら腕を上げているかを見ることが大切です。

今回は、腕が上がりにくいときに確認したい、肩関節・肩甲骨・背骨・胸郭の関係について考えていきます。

腕を上げるとき、肩だけが動いているわけではない

腕を上げる動きというと、肩関節だけが動いているように感じるかもしれません。

実際には、腕が上がるにつれて肩甲骨も胸郭の上を動き、背骨や胸郭の位置も少しずつ変化します。

そのため、腕の上がり方を見るときは、肩関節だけでなく、肩甲骨・胸郭・背骨を含めた動きを確認します。

腕を上げるときに関わる、肩関節・肩甲骨・胸郭・胸椎の位置と動きを示した図。

同じように「腕が上がりにくい」と感じていても、実際の動き方は一人ひとり異なります。

肩甲骨は胸郭の上を動く

肩甲骨は、背中に固定されている骨ではありません。

腕を上げるときには、肩甲骨も胸郭の上を滑るように動きながら位置を変えます。

そのため、肩甲骨を常に後ろへ寄せた状態にしておくと、腕を上げる動きに合わないこともあります。

大切なのは、肩甲骨を一つの位置に固定することではなく、腕の動きに合わせて胸郭の上を動けることです。

肩甲骨と胸郭の関係については、「肩こりが気になるとき、肩だけをほぐせばいい?背骨・肋骨・肩甲骨から考える」でも詳しく紹介しています。

腕がどこまで上がるかだけで判断しない

腕の動きを確認するときは、「耳の横まで上がるか」「何度まで上がるか」だけを見るわけではありません。

腕を上げたときに、肩が大きくすくんでいないか、腰を強く反っていないか、胸郭がどのように動いているかなども確認します。

同じ高さまで腕が上がっていても、身体の使い方は異なることがあります。

そのため、「どこまで上がるか」だけでなく、「どこが、どのように動いて腕が上がっているか」を見ることが大切です。

背骨・胸郭の動きも腕の上がり方に関わる

腕を上げるときは、肩関節や肩甲骨だけでなく、背骨や胸郭の位置も変化します。

特に胸の後ろにある胸椎や、その周囲をつくる肋骨の動きは、肩甲骨が動く土台としても関わります。

そのため、腕が上がりにくいときは、肩まわりだけでなく、背骨や胸郭がどのような位置にあり、そこから動けるかも確認することが大切です。

同じように腕が上がりにくく感じていても、胸郭の位置や背骨の動き方によって、腕の上がり方は変わることがあります。

胸椎を伸ばす動きも確認する

腕を頭の上へ上げていくときには、胸椎がどのような位置にあるかも確認します。

背中が丸くなった姿勢から腕を上げる場合と、胸椎や胸郭の位置を変えながら腕を上げる場合では、動き方が異なることがあります。

ただし、「胸を張れば腕が上がる」と一つの形に決めるわけではありません。

大切なのは、腰を強く反ることで腕を上げるのではなく、胸椎や胸郭の位置も必要に応じて変えられるかを見ることです。

胸椎や胸郭と姿勢の関係については、「猫背が気になるとき、胸を張ればいい?背骨・胸郭・骨盤から姿勢を考える」でも解説しています。

身体をひねる動きとの関係も見る

腕を動かす場面では、身体をまっすぐ保ったまま上げ下げするだけではありません。

物を取る、振り返る、片手を伸ばすといった日常動作では、背骨や胸郭の回旋を伴うこともあります。

そのため、腕が上がりにくいときも、身体をひねったときに胸郭や肩甲骨がどのように動くかを確認することがあります。

腕だけを動かすのではなく、背骨・胸郭・肩甲骨がどのようにつながって動いているかを見ることがポイントです。

背骨・胸郭・骨盤の回旋については、「身体をひねりにくいのはなぜ?胸郭・背骨・骨盤の回旋を確認しよう」も参考にしてください。

呼吸したときの胸郭の動きも確認する

胸郭は、呼吸に合わせても形や位置が変化します。

息を吸ったときには肋骨まわりが広がり、吐くときにはその形が変わります。

腕を上げたときに呼吸を止めていないか、肩や首まわりに力が入りすぎていないかを見ることもあります。

そのため、腕の動きを確認するときは、胸郭が呼吸に合わせて動けるか、腕を上げながら無理なく呼吸できるかも確認していきます。

腕が上がりにくいときに確認したいポイント

腕が上がりにくいときは、肩関節だけを見るのではなく、腕を上げる動き全体を確認します。

特に確認したいのは、次の5つです。

  • 肩関節がどのように動いているか
  • 肩甲骨が胸郭の上をどのように動いているか
  • 胸椎や胸郭の位置を変えられるか
  • 腕を上げたときに腰や首へ力が入りすぎていないか
  • 左右で動き方に違いがあるか
腕が上がりにくいときに確認したい、肩関節の動き・肩甲骨の動き・胸椎と胸郭の動き・腰や首への力み・左右の動き方の違いの5つを示した図。

同じように「腕が上がりにくい」と感じていても、どの部分の動きに特徴があるかは一人ひとり異なります。

そのため、「肩が硬いから肩を伸ばす」と一つの方法に決めるのではなく、どこがどのように動いて腕が上がっているのかを見ることが大切です。

左右差も確認する

腕を上げるときは、左右で動き方に違いがないかも確認します。

片側だけ腕が上がりにくい、肩がすくみやすい、身体をひねりながら上げるなど、左右で異なる動き方が見られることがあります。

ただし、左右差があること自体をすぐに問題と考える必要はありません。

どちらが良い・悪いと決めるのではなく、左右でどのような違いがあるのかを知ることが、身体の使い方を確認する一つの手がかりになります。

腕を上げたときに他の部位がどう動くかを見る

腕を上げたときに、肩関節以外の部分がどのように動いているかも確認します。

たとえば、肩が大きくすくむ、腰を強く反る、頭が前へ動く、身体を傾けるなど、腕の動きに合わせて身体全体の位置が変わることがあります。

こうした動きがあるから悪いというわけではありませんが、どの部分を使いながら腕を上げているのかを知ることは大切です。

腕の高さだけを見るのではなく、肩甲骨・胸郭・背骨・骨盤まで含めて動きを確認していきます。

ピラティスでは腕の上がりにくさをどう見る?

ピラティスでも、腕が上がりにくいからといって、肩関節だけを伸ばしたり、無理に可動域を広げたりすることだけを目的にはしません。

肩甲骨を動かす、胸郭や背骨の位置を変える、身体をひねるなど、さまざまな動きを行いながら、その方がどのように腕を動かしているかを確認していきます。

必要に応じてマットやマシンを使いながら、肩関節だけでなく、肩甲骨・胸郭・背骨・体幹なども合わせて動かしていきます。

大切なのは、腕を無理に高く上げることではなく、身体全体を使いながら無理なく腕を動かせることです。

肩甲骨を動かしながら腕を上げる

腕を上げるときには、肩甲骨も胸郭の上を動きながら位置を変えます。

そのため、肩甲骨を後ろへ寄せたまま腕を上げるのではなく、腕の動きに合わせて肩甲骨がどのように動いているかを確認します。

リフォーマー上で片腕を上げながら身体を側方へ動かし、トレーナーが肩まわりと腕の動きを確認しているAXISのレッスン風景。
腕を上げるときは、肩関節だけでなく肩甲骨や胸郭がどのように動いているかも確認します。

肩甲骨を動かしたときに腕の上がり方が変わるか、肩や首まわりの力みが変化するかを見ることもあります。

肩甲骨を固定するのではなく、腕の動きに合わせて動けることを大切にします。

胸郭や背骨の位置を変えてみる

腕を上げる前に、背骨を丸める・伸ばす、身体をひねるなど、胸郭や背骨の位置を変えてから腕を動かしてみることもあります。

リフォーマーに座って両腕を前へ伸ばし、トレーナーが背中と胸郭まわりに手を添えて身体の位置を確認しているAXISのレッスン風景。
腕の動きだけでなく、胸郭や背骨の位置がどのように変化しているかも確認します。

身体の位置を変えることで、腕の上がり方や肩まわりの感じ方が変化する場合があります。

ここでも、どの姿勢が正しいと決めるのではなく、姿勢や身体の位置によって腕の動きがどう変わるかを確認します。

腕の動きを日常動作につなげる

日常生活では、腕を真上に上げるだけではなく、棚の物を取る、服を着る、髪を整えるなど、さまざまな方向へ腕を動かします。

そのため、レッスンでも腕の高さだけを見るのではなく、身体をひねる、片手を伸ばす、姿勢を変えながら腕を動かすといった動作につなげていきます。

実際の生活の中で使いやすい動きにつなげていくことも大切です。

腕が上がりにくい方の簡単なセルフチェック

腕が上がりにくいと感じるときは、まず今の腕の動き方を確認してみましょう。

ここで大切なのは、「何度まで上がるか」「左右が同じか」で良し悪しを決めることではありません。

腕を上げたときに肩甲骨・胸郭・背骨・首まわりがどのように動くかを観察してみてください。

両腕をゆっくり上げてみる

立った状態、または座った状態で、両腕をゆっくり頭の上へ向かって上げてみます。

どこまで上がるかだけでなく、肩がすくんでいないか、腰を大きく反っていないか、首まわりに力が入りすぎていないかを確認します。

また、腕を上げたときに呼吸を止めていないかも見てみましょう。

腕の高さではなく、身体全体がどのように動いているかを見ることがポイントです。

片腕ずつ上げて左右を比べる

次に、右腕・左腕をそれぞれ片側ずつ上げてみます。

左右で上げやすさに違いがあるか、肩のすくみ方や身体の傾き方に違いがあるかを確認します。

左右差があること自体を問題と考える必要はありません。

どちら側で、どのような動き方をしているかを知ることがセルフチェックの目的です。

胸郭や背骨の位置を変えて、もう一度上げてみる

最後に、背中を少し丸める、胸郭を少し起こす、身体を軽くひねるなど、身体の位置を変えてからもう一度腕を上げてみます。

最初と比べて、腕の上がり方や肩まわりの感じ方に変化があるか確認してみましょう。

大きな変化がなくても問題ありません。

セルフチェックの目的は、一度で腕を上げやすくすることではなく、身体の位置によって腕の動きがどう変わるのかを知ることです。

腕を動かしている途中で痛みや強い違和感が出る場合は、無理に続けず中止してください。

腕が上がりにくいときも、肩だけを見ない

腕が上がりにくいと、肩を伸ばしたり、肩まわりをほぐしたりしたくなるかもしれません。

ただし、腕を上げる動きには、肩関節だけでなく、肩甲骨・胸郭・背骨なども関わっています。

また、腕を上げたときに肩がすくむ、腰を反る、身体を傾けるなど、身体全体の動き方も一人ひとり異なります。

そのため、「肩が硬いから肩だけを伸ばす」と一つの方法に決めるのではなく、どこがどのように動きながら腕を上げているのかを確認することが大切です。

腕の高さだけでなく、肩甲骨や胸郭が動いているか、背骨の位置を変えられるか、左右でどのような違いがあるかも見ていきます。

自分の腕の動きを見るときも、「上がる・上がらない」だけで判断するのではなく、まずは今どのように腕を上げているのかを確認してみましょう。

大阪市住吉区・帝塚山で腕の上がりにくさが気になる方へ

「腕を上げると途中で止まる」

「左右で上がり方が違う」

「肩まわりに力が入りやすい」

そんな方も少なくありません。

AXIS PILATES & Conditioningでは、肩関節だけを見るのではなく、腕を上げる動作を確認しながら、肩甲骨・胸郭・背骨・体幹など身体全体のつながりを見ていきます。

完全マンツーマンのため、運動経験や身体の状態に合わせて、無理のない範囲からレッスンを進めていきます。

腕の上がりにくさや肩まわりの動きが気になる方も、まずは今の身体がどのように腕を動かしているのかを一緒に確認してみませんか。

今よりもっと、動ける身体へ。

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