肩こりが気になると、肩を揉んだり、肩甲骨を動かしたりする方は多いと思います。
もちろん、肩まわりを動かしたりほぐしたりすることで楽になることもあります。
ただし、肩こりが気になるときに確認したいのは、肩だけではありません。
首や肩甲骨は、背骨や肋骨、胸郭などと関係しながら動いています。
そのため、肩まわりだけではなく、背骨が動いているか、肋骨や胸郭が動いているか、肩甲骨が動きやすい状態かといった視点も大切です。
今回は、肩こりが気になるときに、なぜ肩だけでなく背骨・肋骨・肩甲骨の動きも確認したいのかを、身体のつながりから考えていきます。
肩こりは「肩だけ」を見ればいい?
肩こりという言葉からは、首から肩にかけての筋肉が硬くなっている状態をイメージしやすいと思います。
そのため、肩を揉む、肩を回す、肩甲骨を寄せるといった方法を試す方も多いのではないでしょうか。
ただ、肩まわりの筋肉だけを見ても、身体全体の動きは分かりません。
肩甲骨は胸郭の上にあり、腕を動かすときには肩関節だけでなく、肩甲骨や背骨も一緒に動いています。
また、長時間同じ姿勢が続いたり、背中や胸郭が動きにくくなったりすると、首や肩まわりに負担が集まりやすくなることがあります。
そのため、肩こりが気になるときも、「肩が硬いから肩をほぐす」だけではなく、身体全体がどのように動いているかを見ることが大切です。
肩甲骨は胸郭の上で動いている
肩甲骨は、背中側で肋骨によって作られる胸郭の上に位置しています。
腕を動かすとき、肩関節だけが単独で動いているわけではありません。
肩甲骨も胸郭の上を滑るように動きながら、腕の動きを支えています。
たとえば腕を上げるときには、上腕骨の動きに合わせて肩甲骨も上方へ回旋したり、傾き方を変えたりします。
そのため、肩まわりの動きを考えるときは、肩関節だけではなく、肩甲骨が胸郭の上で動きやすい状態かという視点も大切です。

腕を上げるとき、肩甲骨も動く
腕を頭の上まで上げる動きでは、上腕骨だけでなく肩甲骨も一緒に動いています。
肩甲骨が胸郭の上で動くことで、腕を上げるための方向や位置を調整しやすくなります。
反対に、胸郭や肩甲骨まわりが動きにくい状態では、腕を上げる動きを首や肩まわりで補おうとすることがあります。
肩こりが気になるときも、肩そのものだけではなく、腕を動かしたときに肩甲骨や胸郭がどのように動いているかを確認することが大切です。
背中が動くと、肩まわりの動きも変わる
肩甲骨は胸郭の上にあるため、背中や胸郭の動きが変わると、肩甲骨の位置や動き方も変わります。
特に、背中の部分にある胸椎は、身体を丸める・反らす・ひねるといった動きに関わっています。
たとえば背中を丸めると、胸郭の向きも変わり、肩甲骨は外側へ動きやすくなります。
反対に、胸を起こすように背中を伸ばすと、胸郭や肩甲骨の位置関係も変化します。
このように、肩甲骨は単独で動いているのではなく、背骨や胸郭の動きに合わせながら位置を変えています。
そのため、肩こりが気になるときも、肩甲骨だけを動かすのではなく、背中が丸められるか、伸ばせるか、ひねれるかといった動きも確認することが大切です。
胸椎の動きも確認したい
胸椎は、首と腰の間にある背骨です。
身体をひねる動きや、背中を丸める・伸ばす動きに関わっており、肩や腕を動かすときにも胸椎の動きが必要になります。
胸椎が動きにくい状態では、腕を上げたり身体をひねったりするときに、首や肩まわりで動きを補おうとすることがあります。
そのため、肩まわりの動きが気になる場合は、肩だけでなく胸椎が動きやすい状態かという視点も大切です。
胸椎や背骨の動きについては「背骨は4つの方向へ動く」の記事でも詳しく紹介しています。
肋骨・胸郭の動きと呼吸も肩まわりに関係する
胸郭は、胸椎や肋骨、胸骨などによって作られています。
肋骨は固定されているわけではなく、呼吸に合わせて胸郭が広がったり戻ったりする中で動いています。
息を吸うときには胸郭が広がり、息を吐くときには小さくなる方向へ動きます。
そして肩甲骨は、その胸郭の上に位置しています。
そのため、肩甲骨や肩まわりの動きを考えるときには、肋骨や胸郭が呼吸に合わせて動いているかという視点も大切です。
呼吸するとき、首や肩の筋肉も働くことがある
呼吸の中心となる筋肉の一つが横隔膜ですが、呼吸の仕方や運動の強さなどによっては、首や胸まわりの筋肉も呼吸を助けるために働きます。
たとえば大きく息を吸おうとしたときに、肩が持ち上がるような動きを感じる方もいると思います。
このように、呼吸も首・肩まわりと無関係ではありません。
ただし、「呼吸が浅いから肩こりになる」と一つの原因に決めつけるのではなく、背骨・胸郭・肩甲骨・呼吸がどのように連動しているかを確認することが大切です。
首の動きも肩こりと切り離せない
首は、頭を支えながら前後・左右へ動かしたり、振り向いたりする役割があります。
首の動きには頸椎だけでなく、胸椎や肩甲骨まわりの状態も関係しています。
たとえば、胸椎や胸郭が動きにくい状態では、振り向いたり上を向いたりするときに、首まわりで動きを補おうとすることがあります。
また、長時間同じ姿勢が続くと、頭や首の位置が変化し、首から肩にかけての筋肉が同じ状態で働き続ける場面もあります。
そのため、肩こりが気になるときは、肩だけでなく、首が動きやすいか、胸椎や胸郭と一緒に動けているかも確認したいポイントです。
頭の位置だけで姿勢を判断しない
肩こりについて調べると、「頭が前に出ている」「ストレートネックだから肩がこる」といった説明を目にすることがあります。
頭の位置や首のカーブは、首や肩まわりの負担と関係する要素の一つです。
ただし、頭の位置だけを見て肩こりの原因を決めることはできません。
背骨・胸郭・肩甲骨・股関節など、身体全体の姿勢や動きと合わせて見ることが大切です。
ストレートネックと姿勢については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
肩こりが気になるときに確認したい4つのポイント
ここまで見てきたように、肩こりが気になるときに確認したいのは、肩まわりだけではありません。
身体全体の動きを見るうえで、特に確認したいのが次の4つです。
- 背骨・胸椎が動いているか
- 肋骨・胸郭が呼吸に合わせて動いているか
- 肩甲骨が胸郭の上で動いているか
- 首や頭の位置・動きに偏りがないか

どこか一つだけを見るのではなく、それぞれがどのように関係しながら動いているかを確認することが大切です。
たとえば肩を動かしにくい場合でも、実際には胸椎の回旋が少なかったり、胸郭が動きにくかったり、首まわりで動きを補っていたりすることがあります。
そのため、「肩がつらいから肩だけをほぐす」のではなく、身体全体の動きを確認するという視点を持つことが重要です。
ピラティスでは肩こりが気になるとき、どこを見る?
ピラティスでは、肩まわりだけを動かすのではなく、背骨や胸郭、肩甲骨などを一緒に動かしながら身体の状態を確認していきます。
たとえば、
- 背骨を丸める・伸ばす
- 胸椎をひねる
- 呼吸に合わせて胸郭を動かす
- 腕を動かしながら肩甲骨の動きを確認する
といった動きを行います。
このとき大切なのは、「肩甲骨を寄せる」「胸を張る」といった一つの形を作ることではありません。
自分の身体がどの方向へ動きやすく、どの方向へ動きにくいのかを確認しながら、必要なときに必要な動きができる状態を目指します。
肩まわりだけでなく、胸郭も動かしてみよう
肩こりが気になるときは、肩そのものだけでなく、胸郭や背骨を動かしてみるのも一つの方法です。
たとえば、椅子に座った状態で身体をゆっくり左右へひねってみます。
このとき、
- 左右でひねりやすさに違いがあるか
- 首だけで振り向いていないか
- 胸や背中も一緒に動いているか
- 肩に力を入れすぎずに動けるか
などを確認してみると、肩まわりだけでは分からない身体の動きに気づきやすくなります。
無理に大きくひねる必要はありません。痛みや強い違和感がある場合は無理に続けず、動かせる範囲で行ってください。
強い痛みやしびれ、腕に力が入りにくいなどの症状がある場合は、無理に運動を続けず医療機関へご相談ください。
胸郭をひねる動きについては、「7分・3段階で上半身をひねりやすく|胸郭回旋エクササイズ」でも詳しく紹介しています。
肩こりが気になるときも、身体全体の動きを確認しよう
肩こりが気になると、どうしても首や肩まわりだけに目が向きやすくなります。
しかし、肩甲骨は胸郭の上で動き、胸郭は背骨や肋骨と関係しながら動いています。
また、首や頭の位置、呼吸の仕方なども肩まわりと無関係ではありません。
そのため、肩こりが気になるときも、
- 背骨・胸椎の動き
- 肋骨・胸郭の動き
- 肩甲骨の動き
- 首や頭の位置
などを含めて、身体全体の動きを確認することが大切です。
AXIS PILATES & Conditioningでは、肩まわりだけを見るのではなく、実際に身体を動かしていただきながら、背骨・胸郭・肩甲骨・首などの動きを確認し、一人ひとりに合わせてレッスンを行っています。
今よりもっと、動ける身体へ。
肩こりや肩まわりの動かしにくさが気になる方は、初回体験で一度ご自身の身体の動きを確認してみてください。

