膝に痛みが出たとき、レッスンをどう調整したか|股関節と体幹を見直した一例

ピラティスマシンで殿筋ストレッチを行う女性を、トレーナーが骨盤に手を添えてサポートしている様子 レッスン事例

ピラティスのレッスンでは、本来伸ばしたい場所とは別の部分に、痛みや違和感が出ることがあります。

そのような場合、決められた姿勢を無理に続けるのではなく、「どの動きで痛みが出るのか」「身体のどこが動きにくいのか」を確認し、種目や姿勢を調整することが大切です。

今回は、レッスン序盤の殿筋ストレッチで膝に痛みが出た方に対し、股関節と体幹の動きを確認しながらレッスンを組み替え、最後に同じストレッチを再確認した一例をご紹介します。

※以下は一回のレッスン内で観察された動きと変化です。同じような膝の痛みがある方すべてに、同じ原因や結果が当てはまるものではありません。

レッスン序盤、殿筋のストレッチで膝に痛みが出た

レッスン序盤に、股関節を外側へ開いて殿筋を伸ばすストレッチを行ったところ、片側だけ膝に痛みが出ました。

写真のように、片脚を台に乗せて股関節を外側へ開き(外旋させ)、上半身を前へ傾けるストレッチです。

片脚を台に乗せて股関節を外側へ開き、上半身を前へ傾けて殿筋を伸ばす方を、トレーナーが骨盤に手を添えてサポートしている様子
片脚を台に乗せて股関節を外側へ開き、殿筋を伸ばすストレッチの一例(写真はイメージです)

台に乗せた脚側の殿部を伸ばすことを目的とした姿勢ですが、今回のケースでは殿部のストレッチ感がほとんどなく、曲げた側の膝に痛みを感じる状態でした。

このまま続けても目的とするストレッチにはならないため、一度その動きを中止し、股関節や体幹の動きを確認しました。

動きを確認して分かったこと

膝に痛みが出た側では、反対側に比べて股関節を曲げる動作が行いにくく、骨盤と体幹の位置を保ったまま脚を動かそうとすると、身体の軸がぶれやすい状態でした。

また、股関節を曲げる動きに腰を反らせる動作が加わりやすく、脚の動きに合わせて体幹や骨盤の位置も変わりやすくなっていました。

そこで、膝そのものへ直接負荷を加えるのではなく、まずは膝に痛みが出ない範囲で、体幹を保ちながら股関節を動かす練習から始めました。

殿筋ストレッチで膝に痛みが出たあと、股関節や体幹・骨盤の動きを確認し、3つの調整を行い、同じ姿勢で膝の痛みがなく殿筋に伸び感が出たことを再確認する4段階の流れ
膝に痛みが出たあと、動きを確認してレッスンを調整し、同じ姿勢で再確認するまでの流れ

レッスンで行った3つのこと

1.体幹を保ちながら股関節を動かす

ピラティスチェアを使い、座った姿勢で股関節の曲げ伸ばしを行いました。

上半身を少し前に傾けたまま脚を動かすと、体幹の支えが抜けたときに身体全体がペダルの動きへ引っ張られます。

腹部を必要以上に固めず、骨盤と体幹の位置を保ちながら、股関節から脚を動かすことを意識してもらいました。

2.骨盤の位置を保ちながら股関節前面を伸ばす

次に、タワーを使った前後開脚の姿勢で、前腿から股関節前面にかけてストレッチを行いました。

伸ばしにくい側では、骨盤が横や回旋方向へずれやすく、そのままでは狙った場所にストレッチがかかりにくい状態でした。

そこで、骨盤が大きく動かないように補助しながら、痛みのない範囲で股関節前面を伸ばしました。

3.ランジで股関節後面の感覚を確認する

最後に、ピラティスマシンを使ってランジ動作を行いました。

ピラティスマシンのフットバーを持ってランジ姿勢を取り、トレーナーが骨盤に手を添えて姿勢を確認している様子
ピラティスマシンを使い、骨盤の位置を確認しながら行うランジ動作の一例(写真はイメージです)

膝や腰から動くのではなく、股関節から上半身を前へ傾け、足裏やハムストリングスに荷重を感じる練習です。

前腿だけに頼らず、股関節後面も使いながら身体を支える感覚を確認しました。

最初に痛みが出たストレッチを再確認

一連のエクササイズ後、記事前半の写真で示した殿筋ストレッチを、同じレッスンの中でもう一度確認しました。

再確認した際には膝の痛みが出ず、最初は感じられなかった殿筋のストレッチ感も得られました。

ただし、これは一回のレッスン内で確認できた変化です。膝の状態そのものが変わったことや、その後も痛みが出ないことを示すものではありません。

膝だけでなく、股関節や体幹の動きも確認する

膝に痛みが出たとき、痛む場所だけに原因があるとは限りません。一方で、股関節や体幹の動きが必ず原因であるとも断定できません。

今回のレッスンでは、股関節を曲げる際に骨盤と体幹を保ちにくく、脚へかかる負荷を股関節で受け止めにくい動きが見られました。

そこで、膝へ無理な負荷を加えるのではなく、股関節を動かしやすくし、体幹と骨盤を保ちながら脚を使う練習へ切り替えました。その後に同じストレッチを確認すると、膝の痛みの感じ方が変わっていました。

この結果だけで痛みの原因を特定することはできませんが、種目の姿勢や負荷の受け方を調整することが、その方にとって動きやすい方法を探す手掛かりになりました。

今後確認していくこと

今後のレッスンでは、次の点を継続して確認します。

  • 立った姿勢で骨盤と体幹を保つ力
  • 脚を動かす際の姿勢と筋肉の使い方
  • 左右の股関節の動かしやすさ
  • 足首の可動性と左右差
  • 股関節・膝・足首が連動する荷重動作
  • レッスン後や日常生活での膝の状態

痛みがある動きを無理に繰り返すのではなく、その日の状態に合わせて姿勢や種目、負荷を調整しながら、身体全体の動きを確認していきます。

膝の痛みが強い場合、腫れや熱感がある場合、安静にしていても痛む場合などは、運動を自己判断で続けず、医療機関へご相談ください。

AXISでは、その日の身体の状態や動きを確認しながら、無理のない範囲でレッスン内容を調整しています。身体の動きに不安がある方は、初回体験またはLINEからご相談ください。

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